権利部乙区とは?
登記簿は、表題部、権利部甲区、権利部乙区に分かれていました。
ここでは、登記証明書の「乙区」について解説していきます。
乙区には所有権以外に関する権利が記載されている
「甲区」では、所有権に関する事項が記載されていました。それに対して、「乙区」では、その不動産の所有権以外の権利に関する事項が記載されています。
所有権以外の権利とは、何か?
不動産に関する権利で1番身近でわかりやすいのは、「所有権」ですが、不動産に関する権利は他にもいろいろあります。
たとえば、抵当権や根抵当権、質権などの「担保権」や地上権や賃借権などの「用益権」などがあります。
担保権とは、債務が返済できなかった場合に、その不動産を売却してその代金から返済を受
けることの出来る権利、用益権は他人の不動産の使用ができる権利のことです。
所有権は、ひとつの不動産に一つしか成立しませんが、これらの権利は一つの不動産に複数成立することができます。その分、どの権利が優先するかは登記の順位で決めることになります。
乙区に記載されている事項
乙区に記録されている事項は、「順位番号」「登記の目的」「受付年月日・受付番号」「原因」「権利者その他の事項」です。
◆順位番号
順位番号は順位番号は、登記された順番を表していて、権利関係の優劣を決めるものです。
乙区の場合は、特にこの順位番号は、重要な意味を持っています。
抵当権などは、一つの不動産に複数成立することができるため、誰がその不動産に優先的な権利を持っているかはこの登記の順位番号によって決まります。
たとえば、この不動産の所有者Cにお金を貸しているA銀行とB銀行がいます。
A銀行は、自分を抵当権者として、その不動産に1番抵当権をつけました。B銀行は2番抵当権をつけました。
このケースで、もし所有者Cがお金を返せなくなった場合は、抵当権が実行されて競売にかけられることになります。
この場合、順位番号1番で、抵当権をもっているA銀行は、順位番号2番のB銀行り、優先的に債務の弁済を受けられることになります。2番抵当権者のB銀行はA銀行が貸したお金を回収した後、売却代金の残りから、お金を回収できることになります。
このように、順位番号は、権利の優劣を決めるときにとても重要なのです。
順位変更や順位の譲渡などが起きていない限り、順位番号の通りに優劣が決まることになります。
◆登記の目的
「抵当権設定」など所有権以外の権利についてどんな目的で登記がされたのか?を表しています。
◆受付年月日・受付番号
受付年月日は、登記を受け付けた日付です。
受付番号は、受け付けた登記について付けられる番号のことです。
これらの日付は登記の優劣を決めるときに、大切になってきます。
◆原因
どうしてその権利を得たかという原因を示しています。
抵当権の場合であれば、お金を借りる契約をしたことが原因となりますので、「平成○年○月○日金銭消費貸借平成○年○月○日設定」というように記載されます。
◆権利者その他の事項
ここには、権利の内容についての記録されることになります。
たとえば、権利が抵当権なら、「債権額」「利息」「損害金」「債務者」「抵当権者」などが記載されます。
ここをみることでこの不動産にどんな内容の権利が付いているのかがわかります。
ここまで主に抵当権を例に挙げて説明してきましたが、乙区に記録される権利は抵当権以外にもいろいろあります。
乙区には、所有権以外の様々な権利が登記されることになるため、ケースによっては、権利関係を把握していくのが多少難しい場合もあります。
不動産の登記事項証明書は、甲区の所有者情報だけでなく、乙区にどのような権利が設定されているのかよく見ておくことが大切です。